排卵障害とは
排卵とは、月に一度、卵胞が成長・成熟し、卵膜を破った卵子が卵巣の外に飛び出すことを言います。
その排卵が何らかの原因により上手くおこってこない場合を「排卵障害」と呼びます。
女性不妊の3割が「排卵障害」が原因となっています。
排卵障害の原因
ホルモンの分泌が上手くいかない事やストレスにより
・卵巣機能の低下
・高プロラクチン血症→詳しくは高プロラクチン血症・二人目不妊をご覧ください。
・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)→詳しくは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)をご覧ください。
などが原因と言われています。
卵巣機能の低下がおこると
自力で排卵する事が出来ず生理が起こらない・生理はくるけど実は排卵していなかった(偽月経)等の無月経や無排卵月経という症状が起こります。
無月経は、更年期に見られるものですが、近頃では若年性の卵巣機能低下症も見られ「早発閉経」と呼ばれています。
なぜ卵巣機能の低下や早発閉経がおこるのか
原因ははっきりしていないですが、無理なダイエットやストレスにより卵巣に指令を与える脳からの伝達に問題が生じてしまう為と言われています。
他にも、低体温や冷え、運動不足・ホルモン剤の服用も卵巣機能の低下に繋がっていきます。
特にホルモン剤の服用は、「自力で排卵をおこす力」を低下させる事で卵巣機能を低下させてしまいます。
近年では生理痛やPMS(月経前症候群・生理前症候群)などの症状でホルモン剤を使う事が多くなっています。
実際妊活を始める為、「ホルモン剤をやめたら生理がこない」・「ホルモン剤をやめたら生理が乱れる様になった」という方は多いです。
排卵障害の漢方薬
排卵障害は、オ血・血虚・低体温に分けて漢方薬を使わせて頂きます。
簡単に説明させて頂きますと、
オ血は血の滞り。
血虚は血液不足。
を指します。
病院でも大事になってくるとおもいますが、漢方薬を出す時も基礎体温表は大事です。
基礎体温表を見るとその方が血虚・オ血・低体温どのタイプなのか分かり易くなってきます。
排卵障害の漢方薬
・当帰芍薬散
・桂枝茯苓丸
・温経湯
紹介している漢方薬は、一部になりその方々に合わせて漢方薬をお作り致します。
排卵障害の症例
症例(昭和58年生、女性)
相談に来る1年前に不正出血がおきた為病院に行った所、ホルモン剤を処方。
出血が止まったのでホルモン剤を止めたが、そこから生理がこなくなり自力で排卵が出来なくなってしまいました。
妊娠をする為にホルモン剤なしで排卵をくるようにしたいとの事でご相談に来られました。
漢方の種類としては、
①排卵障害の煎じ薬(卵巣機能を若返らせる漢方薬)
②排卵障害の粉薬(卵巣機能の低下を治す漢方薬)
③妊娠できない事がストレスで眠れないとの事で不眠の漢方薬
の3種類で治療を開始しました。
治療開始から1ヶ月後、不眠はすっかり良くなり身体も低温期の体温も上がってきているとの事。
治療開始から1年1ヵ月後、妊娠反応が出たとご報告を頂きました。
一度流産をご経験している為、流産防止の漢方薬に切り替え。
治療開始から2年、まだ出歩くには早すぎるのですが元気なお子さんを連れ会いに来てくれました。
排卵障害が治り、自然妊娠で妊娠されました。
ご家族様からの喜びの顔も見られたのでこちらも本当嬉しいですね。